以前より重宝されてきた使い捨て手袋。近年、需要が急激に増加しています。単に使い捨て手袋といっても種類は様々です。 そこで今回は使い捨て手袋の種類ごとの特徴・特性などをご紹介いたします。ぜひ商品選びの参考にしてくださいね。
ポリエチレン手袋
コストパフォーマンスに優れた大量使いにおすすめのポリエチレン手袋です。 ツルツルとした手触りの低密度ポリエチレン製(LDPE)とカサカサとした手触りの高密度ポリエチレン製(HDPE)が広く一般的に市場に出回っています。
■HDPEポリエチレン手袋
高密度ポリエチレン製(HDPE)手袋の一番のメリットは何と言っても価格が安いことです。 食品衛生法に適合している商品も多く、着脱しやすいという特徴から、食品の盛り付け作業、ご家庭での掃除・園芸などに多く使用されています。 エンボス加工が施されていることが多く、フィルムはカサカサと手触りで伸びにくい性質を持っています。 フィット感はあまりないため、細かい作業には不向きとされています。
■LDPEポリエチレン手袋
低密度ポリエチレン製(LDPE)手袋は高密度ポリエチレン製(HDPE)手袋の次に価格が安いことで知られています。 こちらも食品衛生法に適合している商品も多く、着脱しやすいという特徴から、食品の盛り付け作業、ご家庭での掃除・園芸などに多く使用されています。 外エンボス加工が施されていることが多く、掴みやすくグリップ力が増します。フィルムはツルツルとしたやわらかい手触りです。 フィット感はあまりないため、細かい作業には不向きとされています。
食品衛生法とは、食品汚染や食中毒などを防止し食品の安全性を確保するために、定められた法律です。 食品を提供するスーパーマーケットなどの小売店や、食事を提供する飲食店、食品に関わる添加物や容器包装を扱う企業など、食品業界の事業者全体が対象とされています。 また近年では食品衛生法が改正され原則すべての食品等事業者に「HACCPに沿った衛生管理」が求められ、 それぞれの事業者は規模や業種等に応じて「HACCPに基づく衛生管理」か「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」のどちらかの衛生管理を実施しなければなりません。
原料の入荷から製造、製品の出荷までの一連の工程において、食中毒などの健康被害を引き起こす可能性のある危害要因を科学的根拠に基づいて管理する方法のこと。
エンボスとは板金や紙などに文字や絵柄などを浮き彫りにする加工のこと。 ポリエチレン手袋ではエンボス加工を施すことにより滑り止めや手袋が着脱しやすくなるといった効果があります。
<片エンボス>
手袋の内と外、それぞれの片側にのみエンボス加工を施したもの。
<外エンボス>
手袋の外側にエンボス加工を施したものをいい、滑り止めや米粒などが付着しずらい効果がある。
<内エンボス>
手袋の内側にエンボス加工を施したものをいい、汗などで手と手袋が密着するのを防ぎ着脱しやすいという効果がある。
■TPEポリエチレン手袋
TPEとは熱可塑性エラストマーのことで、ゴムとプラスチックの中間にあたる素材です。 これまでに紹介した2つのポリエチレン手袋と比べより伸縮性に優れ、手や指にとてもフィットしやくす、細かい作業に優れてる点で今大注目の商品です。 食品加工や調理、介護・清掃作業に向いています。こちらも食品衛生法に適合している商品が多くあります。
PVC(プラスチック)手袋
伸縮性に優れ、指先までフィットするので素手間隔で使える手袋です。 天然ゴム製の手袋に比べ耐薬品性・耐油性・耐候性に優れ、主に清掃現場や介護でのシーツ・おむつ交換時などで使用されることが多く、指先の感覚が活かせるので細かい作業にも向いています。 ただし食品衛生法には適合していないため、食品を扱う作業に適していない点がデメリットです。粉あり、粉なしタイプの2種類があります。
ニトリル手袋
合成ゴムであるニトリルゴムから作られた耐油性・耐熱性・耐薬品性に優れ、引っ張り強度、突き刺しにも優れた手袋です。 柔らかく手にぴったりとフィットし、細かい作業を行う際に適しています。食品加工や医療一般作業に使用されることが多く、食品衛生法に適合している商品が多くあります。 色は主に青や白が一般的で粉あり、粉なしタイプの2種類があります。
粉(パウダー)ありと表記のある商品は、手袋が着脱しやすいよう内側に粉がついています。 その粉(パウダー)はトウモロコシから処理され作られたでんぷんで、コーンスターチと呼ばれており、使用時に手汗をかいても着脱しやすくなります。 人体に無害なものですが、人によっては粉(パウダー)により、手がかぶれて、かゆみがでる可能性があります。 そのようなアレルギー反応への懸念を受けて使用されているのが、粉なし(パウダーなし)タイプです。 パウダーがないと着脱しにくいのでは?と思われるかもしれませんが、近年では粉(パウダー)なしタイプの方が需要が高まっています。
サイズ選び
使い捨て手袋には、SS・S・M・Lサイズとサイズ毎に取り揃えられており、ご自身の手の大きさに合わせて選ぶことが大切です。
そうすることにより作業効率も格段に良くなります。ぜひ商品に記載されている「長さ・手のひら回り・中指の長さ」を確認しご自身にあった手袋をお選びください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。使い捨て手袋は、繰り返し使える手袋に比べ1枚あたりの価格も安く作業効率を高めるため、今やあらゆる業種にとって必須アイテムとなっています。 しかし、材質や添加物によっては使用できない場所やモノといった制限もあります。ぜひ使い捨て手袋の特徴・特性を理解し、ご自身あった商品を選ぶことができるとよいですね。